書いてみた。書くしかないから。

 

 

アカツキ

  

静かな夜に訪れる霊達は
小さな絶望と、希望の切れ端をもってやってくる

 

 

肉体は滅びても
私は走った
駆け抜けた
精神は風とともに
走り抜けた

 

 

積み上げたつぶては
世界を変えることはできない
小さな鳴き声が
部屋を覆う
崩れゆく家に
私は帰らなければならない

 

 

苦しい
呼吸が穏やかではない
この深い夜から続く苦しみは
新たな朝も続く

 

 

スマートフォンから流れる音楽は
私に言葉をつむがせる

 

 

いつもより動けるような気がして
外に出て食料を調達しにゆく
自分の金ではなく親にぶらさがっている私は
いつか自由になりたいと願いながらも
現実をかえりみて仕方ないと
あきらめる
 
 
流れてゆく雲に
雷の居所を訊く
手入れのされてない畑には
野草が群生している
コンクリートアスファルト
整地されてない空き地は
まだ何かの種を受け入れてくれる
 
 
ほんの少しでいいから
今日の御飯を明日に回し
未来が来ても
ひもじい思いをしなくていいように
何でもいいから残すのである
何事も 何事も
フィナーレまで駆け抜ける