草稿 #13

少しずつ失っていく、少しずつ死んでいく。果たしてこの道は続いているのか。それとも突然なくなってしまうのか。突如道に怪物が現れるかもしれない。無意識に自失は進み、さらに目の前の怪物に肉体を裁かれる。感覚の悪化、無感覚ではなく壊疽していくような苦しみ、懊悩、嗚咽、痛覚が己を支配していき、ありもしないものが現れる。幻影、ファントム。舞台装置が動き出す。孤独のうちに分断された箱の中で声は発せられる。届くものは振動の系譜、歴史の及ばない人生のうちに、私は積み重ねてきたものを手放す。エトスの更新は破たんする。ほどけてしまった戒律から見えてくる元素、全体と原子の視点の移動、フラッシュバックのように移り変わる像に果たして視力がついていけるのか、様相の生み出すものは開闢のためのイマージュである。双頭の鳥は4つの目で世界を見ることによって人間の持たない高次元の世界に触れる。犬、猫、鹿、猪などの動物における世界はそれぞれ違う。私は私の視点しかしらない。あとは想像するのみである、ある器官からある器官へと移る様相を私は知らない。