草稿 #14

 元々、存在していないのである。私の言葉などというものはない。創造的な活動ではない。ただインプットをアウトプットするだけ。線形である。多相ではなく単相。秋の虫の鳴き声は、多相を織りなす。悠久の永久凍土も徐々に崩れていく。時間というものと存在しているものは動き続ける。永遠の停止から永遠の運動へ移った瞬間、私達は産まれた。

 突然の発生、光の侵食、闇を追い払う者、色付き始めた秋の葉のように宇宙は様相を変えていく。次元が増えるごとに自由度が上がっていくように私たちは3次元を超えなければならない。失われたものよりも多くのものを獲得するのである。理解できない答えを発する者に対して、それを受け流すこと、一旦すべてを受け入れて、己の間違いに気づくまで待つのである。中断、突然の割り込み、不吉を感じさせる到来。可能であることと不可能であることの断絶を理解しない者たちは、蹂躙している意識がない。言葉一葉でマイノリティが窮地に立たされることを理解できないのであろう。弱り切った脳が、行動をさえぎることさえ理解していない。薄暗い雲が壁となって、光を遮る。灰色のスケールは、不安を提起する。乱れ、雲の中で、地上との不和と調律が生み出す乱れが、閃光を放つ。閃光の線、乱れた雲、力能は空と地、海をつなぐ。殺せばいいのか。雷撃は破壊と生成を生む。破壊はいみじくも現在であることを表している。