草稿 #18

私の島、私の領土、私の家、私の庭、それらに続くものに私は権利を有しない。私は私の姿を知ることができない。眩しき太陽、暗い闇夜、それらがいつからか消えてなくなった、光は繁殖し、街中を照らし続ける。番犬のように。黒き者宿りし光、太陽は小さな点となって消える。人類はマイノリティに過ぎない。

 

神が目を覚ます。分裂していた至る所の神が目を覚ます。鳥がやってくる。神は神をもたらす。社からあふれた水は、集落を流し去る。人はいらない。多様性を取り戻す。神は神の中で時間の軸を短絡させる。私には想像力がない。妄想も一時しか現れない。世界の変容の速度に追いつくことができない。それゆえに私は世界から置いて行かれる。私はそこで朽ちてゆく。砂になる。砂漠の誕生である。熱い砂に生物は耐えられない。砂漠に人は住めない。雨を呼ぶために人々は祈る。禁忌を作り、生贄をつくり、コミュニティを強制する。古典を生成するために時間を重ねていく。人のいない空間に人が訪れた時、人は独りよがりに感動する。生成された時間に何の敬意もなく蹂躙していく。ペア、家族、集落、人は礼賛する。私は人であるがゆえに絶望する。人でなければならない時間が私を破壊してゆく。