朝の儀式

われた
卵が

殻は
生ゴミの中へ

眺める
死んでいる
混ざり合う
フライパンの上で
白身と黄身を

昨日今日明日を
手に入れた
卵の中から
増殖して

でも未来にはさほど
興味がなかった

凍える朝も胃の痛む夜も
移り変わる太陽と
ともに去っていく

満たしてゆく
弾ける油と崩れた卵で
私を満たしてゆく

そうしてスマホを開く

この生について

一本の枝を埋める

深く腐った枯葉で黒くなった土を掻き分け

私の見てきた木と最期の別れをする

 

再び彼は世界に舞い降りるだろう

 

母に抱かれて

朝の気配に

祝福と災禍も全て均等に

今日も始まる

 

虫は鳴き、赤ん坊が泣いている

草稿 #19

 Anjelita円いテーブルの上のカップに目をやった。そのカップをはたして誰が置いていったものか考えもしなかったが、彼女は席に着いた。誘惑、彼女は無意識に認めている、ここにいることを。誘惑に従うことを考えもせずに受け入れているのだ。

Autumn is season of death

私の島

 

私の領土

 

私の家

 

私の庭

 

それらに続くものに

私は権利を有しない

私は私の姿を

知ることができない

 

眩しき太陽

暗き闇夜

それらが

いつからか

消えてなくなった

 

光は繁殖し

街中を照らし続ける

番犬のように

 

黒き者宿りし光

太陽は小さな点となって消える

人類はマイノリティに過ぎない

いつかは

消えていなくなる

 

秋は死の季節なのだから

 

私に必要なことは

死ぬことである

死ぬことがなければ

何も得ることは

できないだろう

 

死の対価として

死と等価であるものとは

何なのか

それを

見なければならない

 

秋は死の季節なのだから