2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

草稿 #14

元々、存在していないのである。私の言葉などというものはない。創造的な活動ではない。ただインプットをアウトプットするだけ。線形である。多相ではなく単相。秋の虫の鳴き声は、多相を織りなす。悠久の永久凍土も徐々に崩れていく。時間というものと存在…

草稿 #13

少しずつ失っていく、少しずつ死んでいく。果たしてこの道は続いているのか。それとも突然なくなってしまうのか。突如道に怪物が現れるかもしれない。無意識に自失は進み、さらに目の前の怪物に肉体を裁かれる。感覚の悪化、無感覚ではなく壊疽していくよう…

草稿 #12

崩落した壁。破られた膜。盛り土をも越えて、私を責める。だれが知ろうが知るまいが、私に下された決定は遂行される。八百万の神であろうとも世界に生まれた時、細い糸で紡がれた身である自己に、対抗する余力は残されてはいないのだ。空虚、あるいは真空に…

草稿 #11

孤独に耐えられないからこそ、己の内から出ようとはしない。幾重もの膜は、他の作り出したものであろうが、もう決して彼の力では破れなくなってしまっているのだ。言葉が記号に変化するとき、私はもう自失しているのか?悠然と眠る老女の傍で、私は不安に陥…

草稿 #10

ひよりひよりと受け流す。鎮痛薬に頼る日々、遠ざかるように世界を去ることは存外に難しい。易々と許されはしないのだ。どんよりと曇った空は太陽から身を守ってくれてはいるが、太陽の恵みは遮られたままだ。悪意のある粒子を潰すのだ。粉砕するのだ。砕け…

ほの暗い光

静かな海原の砂底に住むエビは 身を隠し、流れを待つ 草陰で 待つ 何も持たず 待つ 生きるために待つ 彼の光とは 何か、 長年の 血脈のうちに失われた眼 彼の見る光とは 何か 動き続ける世界 で、 動かずに

草稿 #9

私には絶望が待っている。孤独が待ち受けている。弱さゆえにいつも脅えている。言葉さえも自由ではない。隠喩さえも浮かばない。そんな余裕も知恵もない。ないのだ、持ち合わせていない。絶望、退路は断たれ、前方も崖である。形に囚われてはだめなのだ。無…

草稿 #8

求心するエネルギーは黒い穴に通じている。糸が垂れてもその糸を信じられない者もいる。しかし、死が眼前にあれば、だれもが豹変するでだろう。アウシュヴィッツ。過剰なものが世界を救うのか?(脱出するためには究めることだ)空腹に耐えながら歩き続けど…

草稿 #7

食虫植物は生い茂り繁殖する動物は新たな萌芽を迎える。孤独におびえる中年の男は、そのひ弱な肉体と虚弱な精神が苛烈な競争に敗北し、ひっそりと朽ち果てるのである。年老いた母の老いさらばえた悩みに己の無力さを痛切に感じ、そのままの生活は続かないと…

草稿 #6

明けの明星、世界に朝が訪れるとき、空虚に酸素が満ちてくる。過去を振り返り無き音の声を聞くことはない。死人は今を生きる者に写されているのである。長冗なる説明はいらない。私は私である前に何千という死人を見てきたのだ。それは暗部に触れてきた人間…

草稿 #5

そこに生まれてきたものへの殺意は、無限に拡大される。一定ではない宇宙であるならば、世界は普遍的とはいえない。有象無象の類はあれども世界にはある物しか観測されず、ないものなど確認する術はない。ポテンシャルの持つ意味とは能力である。力能である…

TKG

僕の食欲は異常だ。抗精神病薬を飲んでるのが大きいと思うのだが、とにかく食う。そのせいで糖尿病になるのが怖いので、食べるものには、気をつけている。納豆、柿の種、豆腐、そしてたまごかけご飯だ。日本の代表的ファストフードであるたまごかけご飯だが…

棲む

そろそろ食事の時間。

草稿 #4

適応を果たした彼らは生き残るのである。小さな甲虫は、世界を踏みしめている。小さき体に時間が濃縮されている。死が遠くにあるとき、生もまた遠い。死が近くにある時mまた生も近づいてくるのである。世界は遠近法にて私の充足を決定する。孤独のうちにあ…